行政書士櫻井ゆうき事務所 - 宮城の福祉保育特化行政書士 -

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【就労継続支援B型】宮城県・仙台市で就労継続支援B型を開業する完全ガイド〜制度改正の波をチャンスに~

2026年03月21日

♿ 宮城県版|開業完全ガイド

就労継続支援B型を立ち上げる前に知っておくべき7つのこと

「利用者の役に立ちたい」という想いだけで開業すると、後悔する落とし穴があります。
人員・設備・収益・申請の流れを、宮城県・仙台市の実情に沿って解説します。

この記事では、♿ 就労継続支援B型📝 宮城県の指定申請💰 収益の仕組み⚠️ よくある失敗と対策についてまとめています。

1. 就労継続支援B型とは?A型・就労移行支援との違い

就労継続支援B型は、障害者総合支援法に基づく就労系障害福祉サービスの一つです。一般企業への就職が困難な方、または就労継続支援A型での就労が難しい方に対して、雇用契約を結ばずに生産活動の機会を提供し、その対価として「工賃」を支払います。

利用者が自分のペースで通所でき、体調や障害の状態に合わせた柔軟な働き方ができる点が特徴です。現在、全国で1万を超える事業所が存在し、毎年一定数の新規開設が続いています。

就労移行支援就労継続支援A型就労継続支援B型
目的 一般就労への移行 雇用型の就労継続 非雇用型の就労継続
雇用契約 なし(訓練) あり(最低賃金適用) なし(工賃)
対象者 一般就労を目指せる方(原則2年以内) 雇用契約で働ける方 A型・就労移行では難しい方、50歳以上等
利用者への支払い なし(一部交通費等) 給与(最低賃金以上) 工賃(月額3,000円以上が目安)
利用期間 標準2年(延長可) 制限なし 制限なし
✅ B型が選ばれる理由
B型は雇用契約がないため、重度の障害がある方や高齢の方など、より幅広い利用者を受け入れられます。「その人の居場所にもなれる事業所」を作りたい方に向いている事業形態です。

2. 開業に必要な「3つの基準」──人員・設備・運営

指定を受けるためには、国が定める基準をすべて満たす必要があります。この3つが、申請審査の核心です。

① 人員基準(誰が何人必要か)

役職資格・要件備考
管理者 資格不問(兼務可) 施設全体のマネジメント担当。他職種との兼務は条件あり
サービス管理責任者(サビ管) 実務経験+研修修了 最重要職種。採用難易度が高く、早めの確保が必須
職業指導員 1名以上の配置が必要 2職種の合計で常勤換算により利用者数÷10(または÷7.5・÷6)以上を満たすこと。いずれか一方の職種で1名以上が常勤であればよい(両方が常勤である必要はない)
生活支援員 1名以上の配置が必要
⚠️ サビ管の要件は複雑です
サービス管理責任者には、「実務経験年数」と「基礎研修・実践研修の修了」が必要です。研修の受講機会は年に数回しかなく、「採用後に要件を満たしていないことが判明」というケースが頻発しています。必ず事前に専門家に確認してください。

② 設備基準(どんな箱が必要か)

設備項目基準の概要
訓練・作業室 利用定員1人あたり3.0㎡以上のスペースを確保。生産活動の内容によってさらに広い面積が必要になる場合あり
相談室 プライバシーが守られるパーティション等の仕切りが必要
洗面所・トイレ バリアフリーへの配慮が望ましい
消防設備 自動火災報知設備・誘導灯等が必要(建物の構造による)
ℹ️ 物件選びの注意点
訓練・作業室の必要面積は「利用定員×3.0㎡以上」を目安とする自治体が多いですが、具体的な基準は自治体によって異なります。カフェや飲食店を生産活動とする場合は、保健所の飲食店営業許可に必要な設備(調理スペース・手洗い設備等)も含めた物件選びが必要です。使用部分が200㎡以上になると建築基準法上の用途変更手続きが必要になる場合もあります。物件を決める前に必ず自治体と保健所の両方に事前確認することをおすすめします。

③ 運営基準(どう運営するか)

運営規程の作成、個別支援計画の策定・更新、工賃支払い計画の策定、事故防止マニュアルの整備などが必要です。実地指導(監査)で最も指摘を受けやすい領域であるため、「テンプレートをそのまま使う」のではなく、自事業所の実情に合わせてカスタマイズすることが重要です。

✅ 協力医療機関の確保も必須
サービス提供中に利用者が体調不良になった場合に備えて、すぐに連絡が取れる協力医療機関を定めておく必要があります。これは指定申請の要件でもあります。開業準備の早い段階で医療機関に打診しておきましょう。MRとしての医療機関へのアプローチについてもお力になりたく思います。

3. 収益の仕組みを理解する──給付費・工賃・生産活動

B型事業所の収益は大きく2本柱で成り立っています。開業前にこの仕組みを理解しておくことが、経営の安定につながります。

柱①:訓練等給付費(公的報酬)

利用者へのサービス提供に対して国保連を通じて支払われる公的報酬です。利用者1人・1日あたり約6,500円前後が目安で、月20〜22日利用した場合は1人あたり月13〜14万円程度が見込めます。定員に対する稼働率を高く維持することが経営の基本です。

⚠️ 2026年6月報酬改定の注意点

令和8年6月施行の報酬改定では、新規指定事業所の基本報酬単価が所定単位数×984/1000(約1.6%減)となる措置が導入されます。ただし、重度障害のある方を受け入れる場合(医療連携体制加算Ⅳ等の算定・重度障害者支援加算の算定など)や、離島・中山間地域への開設、自治体が必要と認めた事業所は対象外となります。開業初年度のキャッシュフロー計画を立てる際は、自事業所が対象になるかどうかを確認した上で収支計画を立ててください。なお、この措置は令和8年度限りとされており、令和9年度の本格改定で見直される予定です。

柱②:生産活動収入

利用者が行う作業(軽作業・清掃・パン製造・データ入力・農作業など)から得られる売上です。ここで重要なのが、生産活動収入から経費を差し引いた全額を利用者への工賃として支払わなければならないという点です。生産活動の利益を事業所の運営費に充てることはできません。

収入の種類概要経営上のポイント
訓練等給付費 国保連経由の公的報酬。サービス提供月の翌月に請求→さらに翌月入金 開業直後は入金まで2ヶ月のタイムラグあり。運転資金に注意
各種加算 処遇改善加算・目標工賃達成指導員配置加算・送迎加算等 加算の届出漏れは大きな機会損失。開業前から計画的に準備
生産活動収入 利用者の作業による売上 収入−経費=工賃として全額還元が必要。事業所の運営費には使えない
ℹ️ 利益率の目安
福祉事業の収支差率(利益率)の全国平均は就労継続支援B型で約5.8%(令和4年度)とされています。1施設あたり7〜8%程度を目安に収支計画を立てておくと現実的です。

4. 開業費用の目安と資金計画

開業を決意してから実際にサービスを開始するまでに約6〜10ヶ月かかります。その間の費用と開業後の運転資金を合わせた初期資金の総額は、1,000万〜1,500万円程度が一般的な目安です。

費用項目目安金額備考
法人設立費用 約10万〜30万円 株式会社・合同会社・NPO法人・一般社団法人によって変動
物件取得費 敷金・礼金・仲介手数料等 物件により大きく変動。居抜き物件活用で抑制可能
内装・設備工事費 約100万〜500万円 バリアフリー化・消防設備含む。スケルトンからは高額になりやすい
備品・消耗品 約30万〜100万円 作業台・工具・事務機器等。生産活動の内容による
指定申請関連費用 約15万〜25万円 行政書士報酬(依頼する場合)
運転資金(3〜6ヶ月分) 約200万〜500万円 人件費・家賃・光熱費等。給付費の入金まで2ヶ月のタイムラグあり
⚠️ 運転資金は余裕をもって
訓練等給付費は、サービス提供月の翌月に請求し、さらに翌月(約2ヶ月後)に入金されます。開業直後は収入が入るまでの間、人件費・家賃がかかり続けるため、最低でも3〜6ヶ月分の運転資金を手元に確保しておくことが必須です。

5. よくある失敗パターンと対策

実際の相談の中で、開業準備中によく見られるつまずきを整理しました。これらを事前に把握しておくだけで、リスクを大幅に減らせます。

❌ ① 事前相談なしで物件を契約してしまう

「いい物件が見つかったから先に契約した」というケース。後から設備基準や用途地域の制限を満たさないことが判明し、無駄な費用が発生する事例が後を絶ちません。必ず「事前相談→物件確保」の順番を守りましょう。

❌ ② サビ管の要件を満たす人が見つからない

開業直前になって「採用した人が要件を満たしていなかった」というケース。サビ管の実務経験要件は複雑で、研修の受講機会も年に数回しかありません。採用活動は開業の6ヶ月以上前から始めることを強くおすすめします。

❌ ③ 生産活動の内容が決まらないまま申請してしまう

B型では生産活動の内容が事業計画書の重要な部分です。「とりあえず軽作業」では審査で指摘を受けることも。工賃を安定して支払える収益構造を、開業前からしっかり計画しましょう。

❌ ④ 人員を多めに配置しすぎて開業初期に赤字が続く

「安心のために人を多く配置した」結果、開業直後の利用者数が想定を下回り、人件費だけが先行するケース。人件費は後から下げにくい固定費です。初期の人員設計を慎重に行いましょう。

❌ ⑤ 運営規程・各種マニュアルがテンプレートのまま

実地指導で最も指摘を受けやすい原因の一つです。「ダウンロードしたテンプレートをそのまま提出した」だけでは、自事業所の実態と乖離が生じます。開業前に自事業所の実情に合わせてカスタマイズしておきましょう。

✅ 行政書士に依頼するメリット

上記の失敗パターンはいずれも、専門家が早い段階で関与することで防げるものです。書類作成の代行だけでなく、物件の事前確認・サビ管要件の精査・生産活動の収支計画策定・加算取得の計画まで、一気通貫でサポートできます。

6. 宮城県・仙台市での指定申請の流れ

就労継続支援B型の指定申請の窓口は、施設の所在地によって異なります。申請先を間違えると手続きのやり直しになるため、最初に必ず確認してください。

所在地申請・相談窓口
仙台市内 仙台市健康福祉局障害福祉サービス指導課(仙台市は政令市のため独自の窓口)
仙台市以外の宮城県内 宮城県障害福祉課 運営指導班(または各保健福祉事務所)

申請スケジュールの目安(仙台市の場合)

手続きステップ仙台市の公式期限当事務所の推奨時期理由と注意点
① 事前相談 物件契約前かつ申請書提出期限の1ヶ月前まで 開業の4〜5ヶ月前 物件契約前に行うのが鉄則。構造上NGが出た際に変更できる
② 建築・消防手続き 申請期限まで 開業の2〜3ヶ月前まで 消防設備の設置・検査に時間がかかるため早めに着手
③ 管理者・サビ管面談 指定申請期限の1週間前まで 開業の2ヶ月前 有資格者のスケジュール確保が必要
④ 本申請(書類提出) 指定希望月の前々月15日必着 余裕を持って前々月5日頃 書類に不備があると差し戻しで1〜2ヶ月単位で遅延するリスクあり
⑤ 指定・事業開始 毎月1日(月1回) 審査を通過すると指定通知書が交付され事業開始
ℹ️ 宮城県(仙台市以外)の場合
仙台市以外の宮城県内でも、同様に指定希望月の前々月頃が申請締切の目安です。市町村独自のバリアフリー条例等の確認が必要なケースもあるため、早めに各保健福祉事務所に事前相談することをおすすめします。

7. よくある質問

Q. 個人事業主でも就労継続支援B型を開業できますか?

できません。就労継続支援B型の指定申請には法人格が必須です。株式会社・合同会社・NPO法人・一般社団法人などいずれかの形態で法人を設立する必要があります。どの法人形態を選ぶかは、設立費用・運営の柔軟性・将来的な補助金申請のしやすさなどによって変わります。まずご相談ください。

Q. 放課後等デイサービスを既に運営していますが、B型を追加できますか?

はい。既存の法人で多機能型として追加指定を受けることが可能です。ただし人員・設備の基準はそれぞれ独立して満たす必要があり、サビ管の兼務条件なども確認が必要です。既存事業所との相乗効果(人員の共用等)を検討する場合は、早めにご相談ください。

Q. 工賃は最低いくら払えばいいですか?

運営基準省令(第201条第2項)では、利用者全体の平均工賃月額が3,000円を下回ってはならないと定められています。これは個々の利用者ごとの金額ではなく、事業所全体の平均値の話です。平均が3,000円を超えていれば、一部の利用者の工賃が3,000円未満でも問題ありません。なお、報酬体系で「平均工賃月額に応じた報酬体系」を選択する場合は、工賃水準が報酬単価に直結するため、より高い工賃を支払える生産活動の設計が経営上も重要です。

Q. サービス管理責任者がなかなか見つかりません。どうすればいいですか?

サビ管は開業準備の中で最も採用が難しい職種の一つです。求人媒体だけでなく、障害福祉の業界団体・ハローワーク・既存のネットワークを活用することが有効です。また、要件を「ほぼ」満たしている方が研修受講で間もなく要件を満たせる場合もあります。要件の確認から採用計画まで、ご相談いただければ一緒に整理します。

Q. 書類は自分で作れますか?

申請書類は多岐にわたり(運営規程・個別支援計画の様式・収支予算書・平面図・人員配置表等)、専門的な内容が含まれます。自治体ごとに様式が異なるうえ、記載内容の審査も厳しいため、はじめての方には難易度が高いです。特に運営規程の作成とサビ管要件の確認は、行政書士に依頼することで時間とリスクを大幅に削減できます。

📞 初回無料相談受付中

就労継続支援B型の開業について、「まだ漠然とした段階」でもお気軽にご相談ください。
「何から始めればいいかわからない」という段階でも、一緒に整理していきましょう。

初回のご相談(30分)は無料です。対面、またはZOOM等のオンライン相談も承っております。
お問い合わせはホームページ右上より承っております。

📋 お問い合わせフォーム:お問い合わせ受付用フォーム
💬 公式LINEで気軽に相談:https://lin.ee/EuTNAMN

【参考リンク】
障害福祉サービス事業者等の指定申請等様式 ー 宮城県公式ウェブサイト
障害福祉サービス事業者等の新規指定申請について|仙台市
各種届出に関する手引き(ココロンマニュアル・令和8年3月発行)|仙台市
令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について|厚生労働省(PDF)

※ 本記事は一般的な制度情報をわかりやすく整理したものであり、個別の事案に対する法的助言ではありません。
手続きの詳細は管轄の自治体および専門家にご確認ください。掲載情報は執筆時点のものです。