【宮城県版 介護タクシー】介護タクシー開業の許可申請ガイド|手続きの流れ・要件・費用を解説
2026年04月20日
介護タクシー開業の許可申請ガイド|手続きの流れ・要件・費用をわかりやすく解説
「介護タクシーを開業したいけれど、何から始めればいいかわからない」——そんな声をいただくことが増えています。高齢化が進む宮城県でも、通院や買い物の移動を支援する介護タクシーのニーズは年々高まっています。
しかし、介護タクシーの開業には運輸局への許可申請が必要であり、障害福祉サービスの指定申請とはまったく異なる手続き体系です。本記事では、介護タクシーの許可申請について、開業を検討されている方が押さえておくべきポイントを網羅的に解説します。
📑 この記事の内容
介護タクシーとは?正式名称と種類
介護タクシーは通称であり、正式には「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)」といいます。道路運送法第4条に基づき、国土交通大臣(各地方運輸局長)の許可を受けて営業するタクシー事業の一種です。
一般的なタクシーとの違いは、輸送対象が福祉を必要とする方に限定されている点です。その代わり、許可要件が一部緩和されており、個人事業主でも1台から開業できるのが大きな特徴です。
介護タクシーの利用対象者は、主に以下の方々です。
- 要介護認定を受けている方
- 身体障害者手帳をお持ちの方
- 肢体不自由、内部障害、知的障害、精神障害のある方
- 上記の方の付添人
⚠ 注意点:介護タクシーの許可は「運輸局」が管轄します。障害福祉サービスの指定申請(都道府県・市区町村が管轄)とは申請先がまったく異なりますので、混同しないようご注意ください。
許可申請に必要な4つの要件
介護タクシーの許可を取得するには、以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。
| 要件区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 人的要件 | 普通自動車第二種免許の保有が必須。法人の場合は専従する役員が法令試験に合格すること。運行管理者・整備管理者の選任計画があること(車両5両未満は整備管理者の選任不要)。 |
| 設備要件 | 営業所:土地・建物の使用権原が1年以上(賃貸借契約の場合、期間が1〜2年でも『自動更新』の条項があれば要件を満たします。運輸局により異なる場合あり)。事務スペース・休憩仮眠室を備えること。建築基準法・都市計画法等に適合していること(市街化調整区域では原則として許可が下りません)。 車庫:原則として営業所に併設。かつては車両の長さ・幅+1m以上のスペースとされていましたが、現在は緩和されています。前面道路が車両制限令に抵触しないこと。 車両:福祉自動車(リフト・スロープ・寝台等の設備付き)を1両以上。一般車両を使用する場合は介護系資格が必要。 |
| 資金的要件 | 所要資金の合計額の50%以上、かつ事業開始当初に要する資金の100%以上の自己資金を、申請日以降常に確保していること。申請時に残高証明書の提出が求められるほか、審査期間中にも再度提出を求められる場合がありますので、申請後も資金を取り崩さないようご注意ください。 |
| 法令遵守 | 欠格事由(過去2年以内の免許停止処分、運送事業の許可取消歴など)に該当しないこと。社会保険等への加入義務を果たすこと。 |
福祉車両ではなくセダン型などの一般車両を使用する場合は、運転者が介護福祉士・訪問介護員(初任者研修修了者)・ケア輸送サービス従事者研修修了者のいずれかの資格を保有している必要があります。福祉車両を使用する場合、これらの資格は努力義務にとどまります。
開業までの流れ【全体スケジュール】
介護タクシーの開業は、準備開始から営業開始までおおむね4〜6ヶ月が目安です。以下のステップで進みます。
【STEP 1】事前準備(1〜2ヶ月)
二種免許の取得、営業所・車庫の確保、福祉車両の選定を行います。個人事業主は開業届の提出、法人は設立手続き(定款の目的に「一般乗用旅客自動車運送事業」を記載)も必要です。
【STEP 2】許可申請書の作成・提出
営業所所在地を管轄する運輸支局(宮城県の場合は東北運輸局 宮城運輸支局)に許可申請書一式を提出します。運輸支局によっては、同時に運賃認可申請も行います。
【STEP 3】法令試験・事情聴取
申請書が受理された後、法令試験と事情聴取が実施されます。法人の場合は、専従する常勤役員が受験します。
【STEP 4】審査・許可証交付(約2〜3ヶ月)
書類審査を経て、基準を満たしていれば許可証が交付されます。交付後、期限内に登録免許税3万円を納付して届出を行います。
【STEP 5】開業準備・運賃認可
福祉車両の検査・登録(事業用=緑ナンバーの取得)、タクシーメーターの取り付け・検定、運賃認可申請(許可申請と同時に行えなかった場合)などを進めます。
【STEP 6】事業開始・運輸開始届の提出
すべての準備が整ったら事業を開始できます。許可日から6ヶ月以内に、運輸開始届を管轄の運輸支局に提出します。任意保険証書の写し、許可を受けた車検証の写し、事業用施設の写真等の添付が必要です。
主な必要書類一覧
許可申請には多数の書類を添付する必要があります。運輸局によって様式や必要書類が異なる場合がありますので、必ず管轄の運輸支局に事前確認してください。以下は主な書類です。
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 経営許可申請書 | 運輸支局で様式を入手(A4判、本通1部+控え2部) |
| 事業計画書 | 営業区域、営業所、車庫、車両等の計画を記載 |
| 営業所・車庫・休憩施設の案内図・平面図 | 現地の写真も添付 |
| 施設の使用権原を証する書面 | 自己所有=登記簿謄本、賃貸=賃貸借契約書 |
| 車庫前面道路の幅員証明 | 市区町村の道路管理課等で取得 |
| 車両の使用権原を証する書面 | 売買契約書、リース契約書、車検証の写し等 |
| 資金計画書・残高証明書 | 申請日直近の残高証明書 |
| 任意保険・タクシーメーターの見積書 | 対人8,000万円以上、対物200万円以上の任意保険
基本的には対人賠償無制限、対物賠償200万円以上の任意保険(または対保共済)への加入が必要 |
| 宣誓書(法令遵守・欠格事由) | 運輸局の様式あり |
| 定款・登記簿謄本(法人の場合) | 定款の目的に「一般乗用旅客自動車運送事業」の記載が必要 |
法令試験の概要と対策
法人で介護タクシーを開業する場合、専従する常勤の役員1名が法令試験を受験し、合格する必要があります。個人事業主の場合は、申請者本人が受験します(なお、東北運輸局管内では法令試験が実施されます)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験形式 | ○×方式・語群選択方式・簡単な筆記回答方式 |
| 出題数 | 30問 |
| 試験時間 | 45分 |
| 合格基準 | 正解率80%以上(24問以上正解) |
| 出題範囲 | 道路運送法、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法、その他関係法令 |
合格基準は80%と比較的高く設定されていますが、試験中に関係法令の条文集を参照できる運輸局もあります。事前に管轄の運輸支局にご確認ください。
なお、法令試験の実施日は限られており、隔月程度の頻度で実施される運輸局が多いです。申請のタイミングによっては試験待ちで1ヶ月前後スケジュールが後ろ倒しになる場合がありますので、宮城運輸支局に実施予定を事前にご確認ください。
開業資金の目安
介護タクシーの開業に必要な資金は、車両の選定や営業所の確保方法によって大きく異なりますが、車両1台の場合の目安は以下のとおりです。
| 費用項目 | 目安金額 |
|---|---|
| 二種免許取得費用 | 約20〜30万円 |
| 福祉車両(中古の場合) | 約100〜250万円 |
| タクシーメーター設置 | 約10〜20万円 |
| 任意保険(年額) | 約30〜50万円 |
| 営業所・車庫の賃料(数ヶ月分) | 地域により異なる |
| 登録免許税 | 3万円 |
| 運転資金(数ヶ月分) | 数十万円〜 |
| 合計(目安) | 約200〜600万円 |
自宅を営業所・車庫として使用し、中古の軽福祉車両を購入するケースでは200万円台から開業可能です。資金が不足する場合は、日本政策金融公庫の創業融資や、自治体の創業支援補助金の活用も検討しましょう。
介護保険タクシーとの違い
「介護タクシー」と「介護保険タクシー」は、よく混同されますが、制度上は大きく異なります。
| 比較項目 | 介護タクシー | 介護保険タクシー |
|---|---|---|
| 介護保険適用 | なし(運賃は全額利用者負担) | あり(通院等乗降介助が算定可能) |
| 必要な許可・指定 | 運輸局の経営許可のみ | 運輸局の経営許可+訪問介護等の事業所指定 |
| 法人格 | 個人事業主でも可 | 法人格が必要 |
| 対象者 | 要介護者・障害者等 | 要介護1以上の認定を受けた方 |
介護保険を利用した「通院等乗降介助」を算定するためには、介護タクシーの許可に加え、訪問介護事業所(高齢者対象)または居宅介護事業所(障害者対象)の指定を受ける必要があります。これは一般に「ぶら下がり許可」とも呼ばれます。
将来的に介護保険タクシーとして運営したい場合は、最初から法人を設立しておくことをおすすめします。個人事業主で介護タクシーの許可を取得した後に法人化すると、許可の譲渡・譲受認可申請が別途必要になるためです。
行政書士に依頼するメリット
介護タクシーの許可申請は、障害福祉サービスの指定申請と比べて添付書類の数が非常に多いのが特徴です。営業所や車庫の写真撮影、平面図の作成、前面道路の幅員証明の取得など、書類の「収集」だけでも大きな負担になります。
行政書士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
- 営業所・車庫が許可要件を満たすかどうかの事前調査を代行
- 申請書類一式の作成・収集をまとめて依頼できる
- 運輸支局への申請・補正対応まで一貫してサポート
- 法令試験の準備に関するアドバイスが受けられる
- 介護保険タクシー(ぶら下がり許可)への展開もあわせて相談可能
介護タクシーの開業をご検討中の方へ
許可申請の要件確認から書類作成、運輸支局への申請手続きまで、
障害福祉・保育を専門とする行政書士がトータルでサポートいたします。
まずはお気軽にご相談ください。
📞 初回無料相談 受付中
「まだ漠然とした段階」でもお気軽にご相談ください。
初回のご相談(30分)は無料です。対面・ZOOM対応可。
022-208-9579