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【就労継続支援A型・B型の違いを比較】どちらで開業すべき?制度・要件・報酬を宮城県版で解説

2026年05月25日

就労継続支援A型と就労継続支援B型、どちらで開業すべきか。サービスの名前は似ていても、雇用契約の有無・賃金の扱い・対象者・報酬体系など、根本から異なる制度です。

この記事では、A型・B型それぞれの制度的な違いを徹底的に比較し、宮城県・仙台市で開業を検討している方が「どちらを選ぶべきか」を判断できるよう解説します。

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📑 この記事の内容

  1. 就労継続支援A型・B型とは?制度の位置づけ
  2. 最大の違い:雇用契約の有無
  3. 対象者・利用者像の違い
  4. 指定基準(人員・設備)の比較
  5. 報酬体系の違い(令和6年改定対応)
  6. 開業費用・難易度を正直に比較
  7. 宮城県・仙台市で申請する際の注意点
  8. 結局どちらで開業すべき?判断ポイント
  9. まとめ

就労継続支援A型・B型 比較チャート

就労継続支援A型・B型とは?制度の位置づけ

就労継続支援は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスのひとつで、一般企業への就職が困難な障害のある方に就労の機会や生産活動の場を提供するサービスです。

大きくA型とB型の2種類があり、どちらも「働く場所」を提供するという目的は共通していますが、雇用契約を結ぶかどうかという根本的な違いがあります。

就労継続支援の全体像
就労継続支援(A型・B型)は、就労移行支援とともに障害福祉サービスの「就労系サービス」に分類されます。
就労移行支援が「一般就労を目指す訓練の場」であるのに対し、就労継続支援は「継続的に働ける場を提供する」サービスです。

最大の違い:雇用契約の有無

A型とB型の最も根本的な違いは、事業所と利用者の間に雇用契約が結ばれるかどうかです。この違いが、経営モデル・収支計画・リスク管理のすべてに影響します。

A型:雇用契約あり(労働基準法・最低賃金法が適用される)

A型では事業所と利用者の間で雇用契約を締結します。労働基準法・最低賃金法・社会保険関連法規がすべて適用されます。

⚠️ A型開業時に必ず押さえるポイント
・利用者に対して最低賃金以上の賃金を支払う義務がある(宮城県の最低賃金を必ず確認すること)
・社会保険(健康保険・厚生年金)の加入義務が生じる場合がある
・労働時間・休日・残業代等のルールも厳守が必要

B型:雇用契約なし(工賃を支払う)

B型では雇用契約は結ばず、利用者が生産活動に参加した対価として「工賃」を支払います。工賃は最低賃金以下でも可能ですが、平均工賃月額3,000円以上が指定基準上の要件です(省令第195条第2項)。

B型の工賃向上計画
厚生労働省はB型事業者に対し、工賃向上計画の策定・提出を求めています。
工賃水準が報酬単価に反映される仕組みがあり、利用者のQOL向上のためにも工賃向上への取り組みが重要です。

A型・B型の基本項目 一覧比較表

比較項目 就労継続支援A型 就労継続支援B型
雇用契約 あり(労働基準法・最低賃金法 適用) なし
賃金・工賃 最低賃金以上の賃金 工賃(平均月額3,000円以上)
社会保険 加入義務あり(要件による) 原則不要
対象年齢 18歳以上 18歳以上(65歳以上は要件あり)
最低利用定員 10名 原則20名(条例により10名以上に引下げ可)
開業難易度 ★★★★☆(高) ★★★☆☆(中)

対象者・利用者像の違い

A型とB型では、サービスを利用できる方の要件も異なります。支援する利用者の特性に合った事業形態を選ぶことが、運営の安定につながります。

A型の対象者

A型の対象は、主に以下のいずれかに該当する方です。

① 就労移行支援によっても一般就労への移行が困難と見込まれる方
② 就労移行支援を利用したが一般就労に結びつかなかった方
③ 一定年齢以上で、就労経験があり一般就労への移行が困難と見込まれる方いずれも「雇用契約に基づく就労が可能と見込まれること」が前提条件です。

B型の対象者

B型は、A型よりも多様な方が対象となります。

① 就労経験があり、年齢・体力面で一般就労が困難な方
② 50歳以上の方
③ 障害基礎年金1級を受給している方
④ 就労移行支援等を利用しても一般就労・A型利用が困難と見込まれる方A型に比べて要件が広く、より重度の障害のある方や高齢の方も幅広く利用できます。

指定基準(人員・設備)の比較

A型・B型ともに、指定を受けるためには省令(平成18年厚生労働省令第171号)に定められた人員基準・設備基準を満たす必要があります。特にサービス管理責任者(サビ管)の確保は両サービスで必須です。

サビ管の要件について詳しくは、こちらの記事もご参照ください。

人員基準の比較

職種 A型 B型
管理者 1名以上(常勤) 1名以上(常勤)
サービス管理責任者 利用者60人以下:1名以上(常勤) 利用者60人以下:1名以上(常勤)
職業指導員 1名以上配置 1名以上配置
生活支援員 1名以上配置 1名以上配置
職業指導員+生活支援員(合計・指定基準) 常勤換算で利用者数 ÷ 10 以上
(うち1名以上は常勤であること)
常勤換算で利用者数 ÷ 10 以上
(うち1名以上は常勤であること)
⚠️ 人員配置基準と報酬区分は別物
「10:1」はA型・B型ともに共通の指定基準(最低基準)です。
これとは別に、職業指導員・生活支援員をより手厚く配置した場合(A型:7.5:1、B型:6:1・7.5:1)は高い基本報酬単価を算定できる報酬区分が設けられています。開業時はまず10:1を確保したうえで、収益向上のため手厚い配置を目指すことが現実的です。

設備基準の比較

設備 A型 B型
訓練・作業室 利用者1人あたり面積基準あり 利用者1人あたり面積基準あり
相談室 必置(プライバシー確保) 必置(プライバシー確保)
洗面所・トイレ 必置 必置
生産設備 就労に必要な機械・設備等 生産活動に必要な機械・設備等

報酬体系の違い(令和6年改定対応)

令和6年(2024年)4月の報酬改定では、A型・B型ともに大きな変更がありました。開業前に必ず最新の内容を確認しておきましょう。

A型の報酬体系:スコア方式の「見直し」

A型の基本報酬は令和3年改定で導入されたスコア方式が引き続き使用されています。令和6年改定では廃止ではなく、評価項目・配点が大幅に見直されました(厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」P30)。

令和6年改定後のA型スコア方式 7評価項目労働時間:平均労働時間が長い事業所ほど高得点
生産活動:生産活動収支が賃金総額を上回ると加点、下回ると減点
多様な働き方:在宅・フレックス等の制度整備を評価
支援力向上【見直し】:職員研修・外部連携の取り組みを評価
地域連携活動:施設外就労・地域との連携実績を評価
経営改善計画【新設】:未提出の場合は50点減点
利用者の知識及び能力向上【新設】:一般就労移行に向けた支援実績を評価

⚠️ 令和6年改定で特に厳しくなったポイント
「生産活動」の配点が大幅に引き上げられ、生産活動の収支が利用者への賃金総額を下回ると減点される仕組みになりました。
介護給付費から利用者の賃金を支払う経営モデルへの是正が強く求められており、A型開業には精緻な収支計画が不可欠です。

B型の報酬体系:平均工賃月額に応じた区分制

B型の基本報酬は、引き続き平均工賃月額に基づく区分で設定されています。工賃が高い事業所ほど高い基本報酬単価を算定できます。

令和6年改定後のB型報酬の主なポイント
・平均工賃月額に応じた区分制を継続しつつ、よりメリハリをつけた体系に見直し
・人員配置「6:1」の新たな報酬区分が創設【新設】
目標工賃達成加算【新設】10単位/日
・正確な報酬単価は厚生労働省の最新告示・宮城県の通知を必ずご確認ください。

開業費用・難易度を正直に比較

実際に開業するにあたって、どちらがより現実的かを費用・難易度の両面から比較します。

比較項目 A型 B型
物件・内装費 100万〜300万円程度 100万〜300万円程度
設備・備品費 業種により大きく異なる(製造業等は高額) 作業内容により異なる
人件費(初期) 高い(最低賃金+社保負担) 相対的に低い
運転資金の必要性 高い(給与支払いが先行) 中程度
経営計画の精緻さ 非常に高い水準が求められる 高い水準が求められる
収益が安定するまで 6ヶ月〜1年以上 6ヶ月〜1年程度
⚠️ A型経営で最も注意すべき点
A型では利用者への賃金支払いが介護給付費の入金よりも先行します。開業直後は利用者が少なく給付費収入も安定しないため、少なくとも3〜6ヶ月分の運転資金の確保が不可欠です。
また令和6年改定でスコアの「生産活動」配点が厳格化されたため、生産活動収支が賃金総額を下回ると減算されるリスクにも注意が必要です。

宮城県・仙台市で申請する際の注意点

宮城県内でA型・B型の指定申請を行う場合、申請先が事業所の所在地によって異なります。これは他の障害福祉サービスと共通の重要ポイントです。

📌 申請先の振り分け(宮城県内)【仙台市内に事業所を置く場合】
仙台市(指定都市)が指定権者
担当:仙台市健康福祉局障害者支援課

【仙台市以外の宮城県内に事業所を置く場合】
宮城県が指定権者
担当:各地方振興事務所(保健福祉部門)

⚠️ 事前協議が必須です
宮城県・仙台市ともに、指定申請書の提出前に事前協議が必須となっています。
図面の確認・書類の事前チェックを含めると、実際には開業希望月の3〜4ヶ月前から動き始める必要があります。
指定申請の提出期限は開業予定月の前々月末日が原則ですが、事前協議の日程次第でスケジュールが前後するため、余裕をもった準備を強くお勧めします

指定後に管理者変更・加算追加・人員変更があった場合の手続きについては、変更届・更新申請の記事もご参照ください。

結局どちらで開業すべき?判断ポイント

A型・B型のどちらが適しているかは、開業者自身のビジョン・資金力・支援したい利用者像によって異なります。以下のチェックリストを参考にしてください。

A型が向いているケース

✅ 雇用型の支援にこだわりがあり、利用者に賃金を保障したい
✅ 特定の職種・スキル訓練(IT・農業・カフェ等)で付加価値の高い作業を提供できる
✅ 十分な運転資金(最低600万円以上を目安)を確保できる
✅ 事業経営の経験があり、収支計画を精緻に組み立てられる
✅ 生産活動の収支が利用者への賃金総額を上回る事業モデルを設計できる

B型が向いているケース

✅ 福祉的支援を重視し、重度障害のある方や高齢の方も幅広く受け入れたい
✅ 初めての障害福祉事業所開業で、まず安定した運営基盤を作りたい
✅ 農業・手工芸・製菓等、ゆっくりと取り組める作業を提供したい
✅ 工賃向上計画を丁寧に策定し、利用者の工賃アップを目指したい
✅ 地域に根ざした小規模な事業所として長期運営を目指したい
💡 迷ったらB型から検討するのが現実的
実務上、A型は初期費用・経営リスク・令和6年改定後のスコア要件がB型より格段に高く、初めての開業者には難易度が高い事業形態です。
一方B型は、福祉的支援を重視しながら安定した運営を築きやすい面があります。まずはB型でノウハウを積み、のちにA型を展開するケースも少なくありません。

まとめ

就労継続支援A型とB型の違いを改めて整理します。

A型・B型の違い まとめ📌 A型:雇用契約あり・最低賃金以上の賃金支払い義務・経営難易度高
📌 B型:雇用契約なし・工賃を支払う・幅広い利用者を受け入れ可能
📌 人員配置(指定基準):A型・B型ともに10:1(職業指導員・生活支援員の合計)
📌 A型報酬:スコア方式を継続。令和6年改定で評価項目・配点が見直し
📌 B型定員:原則20名以上(条例により10名以上に引下げ可)
📌 申請先:仙台市内→仙台市、それ以外の宮城県内→宮城県
📌 事前協議:申請前に必須。開業希望月の3〜4ヶ月前から準備を

A型・B型のどちらを選ぶかは、開業後の経営の方向性を大きく左右します。申請書類の準備・指定基準への適合確認・事業計画の策定など、不明な点があれば早めに専門家へご相談ください。

こんなお悩みはありませんか?

✔ A型とB型、どちらが自分のビジョンに合っているか判断できない

✔ 指定申請に必要な書類・手順がよくわからない

✔ 事業計画書や収支計画の作り方がわからない

✔ 宮城県・仙台市の指定基準で気になる点がある

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📎 参考リンク

厚生労働省 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容
厚生労働省 指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について(障発第1206001号)
宮城県 障害福祉サービス事業者指定申請
仙台市 障害福祉サービス指定申請・届出